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「アガサ・クリスティ愛誦探偵小説集2」をお届けする。 このシリーズ名を冠するのは、クリスティの『おしどり探偵』または『二人 で探偵を』として邦訳がある『Partners in Crime』(一九二九)にちなんで いるからだ。この連作短編集はさまざまな名探偵のパロディであり、取り上げ られているのはコナン・ドイルのホームズ、フリーマンのソーンダイク博士、 チェスタートンのブラウン神父、エドガー・ウォーレス、オルツィの隅の老 人、メースンのアノー探偵、クロフツのフレンチ警部、ベイリーのフォーチュ ン、そしてクリスティ自身のポアロがパロディ化されている。しかしそれ以外 にも我が国にはまだ紹介されていない名探偵は複数いる。そのうちの一人が、 本書のソーンレー・コルトンで、「盲蛇におじず」または「目隠しごっこ」 (Blind Man's Bluff)という短編でパロディ化されている。これらの未訳作 品を紹介してはどうかという示唆を戸川安宣先生からいただいたので、このシ リーズを始めた。 今回はクリントン・H・スタッグ(Clinton H. Stagg、一八八八~一九一六) 作の盲人探偵ソーンレー・コルトン・シリーズの唯一の長編『銀のサンダル (Silver Sandals)』(W.J. Watt, New York, 1916)の全訳である。著者のスタッ グはニューヨーク在住で、小説の他にも映画の脚本家として活躍したが、二十 七歳で亡くなった。 なお、盲人探偵という設定は、他にもイザベル・オストランダーのデイモン ・ゴーント(一九一五年)や、アーネスト・ブラマーのマックス・カラドス (一九一三年)など、同時期に登場しており、本作のソーンレー・コルトンも 世界初の盲人探偵の一人ではないかと言われている

銀のサンダル
「アガサ・クリスティ愛誦探偵小説集2」をお届けする。 このシリーズ名を冠するのは、クリスティの『おしどり探偵』または『二人 で探偵を』として邦訳がある『Partners in Crime』(一九二九)にちなんで いるからだ。この連作短編集はさまざまな名探偵のパロディであり、取り上げ られているのはコナン・ドイルのホームズ、フリーマンのソーンダイク博士、 チェスタートンのブラウン神父、エドガー・ウォーレス、オルツィの隅の老 人、メースンのアノー探偵、クロフツのフレンチ警部、ベイリーのフォーチュ ン、そしてクリスティ自身のポアロがパロディ化されている。しかしそれ以外 にも我が国にはまだ紹介されていない名探偵は複数いる。そのうちの一人が、 本書のソーンレー・コルトンで、「盲蛇におじず」または「目隠しごっこ」 (Blind Man's Bluff)という短編でパロディ化されている。これらの未訳作 品を紹介してはどうかという示唆を戸川安宣先生からいただいたので、このシ リーズを始めた。 今回はクリントン・H・スタッグ(Clinton H. Stagg、一八八八~一九一六) 作の盲人探偵ソーンレー・コルトン・シリーズの唯一の長編『銀のサンダル (Silver Sandals)』(W.J. Watt, New York, 1916)の全訳である。著者のスタッ グはニューヨーク在住で、小説の他にも映画の脚本家として活躍したが、二十 七歳で亡くなった。 なお、盲人探偵という設定は、他にもイザベル・オストランダーのデイモン ・ゴーント(一九一五年)や、アーネスト・ブラマーのマックス・カラドス (一九一三年)など、同時期に登場しており、本作のソーンレー・コルトンも 世界初の盲人探偵の一人ではないかと言われている